測量と三次元空間情報

近年の測量機材とIT技術の融合は瞬き一瞬の様に進化しています。測量機材の購入は一時の様に測量会社がメインではなく、機械化施工時代へ突入した事でGPSも地上接地型レザースキャナー、ドローン搭載型レザースキナー、付属ソフトも金額ベースでは8:2の割合で施工会社の納入が多いと聞きます。

此処で、盛んに話題に上がる三次元平面図と三次元データによる機械化施工、既に手掛けている施工会社と測量設計会社は三次元データと施工図作成に10年近い実績を有し技術も定着しています。後発の施工会社と測量設計会社は現状、多額の投資を必要にする事もあり、単体企業で機材にソフト及びIT技術者を揃え機械化施工に向かうには時間がかかり、双方ともに人材不足も有り難題。

空間データ取得は先に述べた機材に加え、三次元平面図及び施工図作成に必要な技術者は、測量技術、土木設計技術、IT技術の融合が必要と言われます。何れも1人の技術者が延々と作業に向かうのでは無く、分業可能な部分はチームを組んで取組む考えが必要でしょう。                              道内でも施工者、測量設計者が協議により設備投資を行い、ICT施工に取組んでいる場合もあると聞きます。

施工現場をで考える時、三次元施工対応の図面を作成、日々の施工管理図と協議図作成、明日の施工データ作成と施工管理システムへのデータ書込み、双方が協力し業務に向かう体制作りと現状から次のステージに向かう工夫には後発組みに残された時間は余り無いと考えます。

                      業界には可能性はまだ有る君。

 

 

 

測量が変わる「新機材」

 2015年に「宇宙基本計画」の策定で、2023年を目標に準天頂衛星を7機体制として運用する事が決定、此の体制になると瞬時に1~2cm誤差で地物情報(座標等)取得が可能になるものです。1-1700-3現在の一号機を2010年、二・三・四号機は2017年度中に打上、いよいよ2018年には4機体制で運用を開始する計画となっています。

現在の三機体制でも日本宇宙空間を一機8時間のカバーが可能で、24時間必ず一機の衛星が天頂付近に留まる事になる。この状態で測地的には20㎝前後の位置誤差で座標取得が可能になり、衛星を利用した通信体制は万全になります。

従来方式のGPS機器では高精度の地物情報取得には測地技術が障壁になり、他業種の参入の抑止力的壁となっている。

位置情報取得に関しては昨今市場に投入される新機材には既に、一体化し提供されている機材も有り、測量理論とIT技術があれば測量技術者で無くても地図作成が可能になり、測量成果の利用範囲は拡大する事は想像できる。

地物位置精度の必要な地図と観光案内図又はカーナビの様な相対関係を判別できれば地物位置精度を求めない地図などの様に利用者の目的によって異業種の参入も可能になり、地図の利用は今後爆発的に拡大する。

 

次のステージを想像する

昨今建設業界は機械化施工の対応により、IT技術を活用した新機材が続々市場に投入されている。2-1700-2

我々、測量業界もレーザスキャナー機材、ドローンにレーザスキャナーを搭載した機材、更に準天頂衛星の運用開始により、これら新機材を利用する技術は全ての産業に革命的な影響と効果をもたらす事になる。

ドローンは報道などの空撮で実用化されている業界もあるが、あらゆる産業界は実用化に向け産学官一体になり実証実験が盛んに展開されている。関係省庁に於いては、既に等新機材の運用に対し規定(案)が公表されています。